2012年04月02日

医療機関での呼称は、「患者さん」それとも「患者さま」?

私が勤務医時代となる2002年3月に「国立病院等における医療サ-ビス研究会」による
「国立病院・療養所における医療サービスの質の向上に関する指針」(新企画出版社)が
打ち出されました。その中で「医療サービスの質の向上に関する具体的方策」があり、[接遇]の項目において「職員の接遇態度・言葉づかいの改善」患者には原則として、
姓(名)に「さま」を付する「すべての国立病院等(項目により診療科)で実施する必要の
あるもの」と示されました。この指針が、日本中に「さま」が、広がって行った由来となっています。しかし、本文中に「患者さま」という呼称をしましょうとは記されていません。個人名で呼ぶときに「○○さん」ではなく、「○○さま」と呼ぶことを要求したものです。この指針は、日常の「患者さん」という言葉まで「患者さま」へと多くの医療者が、解釈してしまったと思われます。この解釈について、最近の医療機関では、見直しをされているようです。

私は、絶対こっちでと言うものでは無く、どちらでも良い問題と考えています。
どちらか?と言われれば、当院は、現在「○○さん」としていますが、医療者個人の自由で良いと思います。指針は理解できますが、「呼称」で医療の質の向上には、つながりません。「医療の本質」は、「誠」を尽すことが全てだからです。
「誠」は、患者へ向き合う「心からの姿勢」であり、それは、「医療の本質」に結びつきます。「誠」を持った「心からの姿勢」は、「さん」でも「さま」でも患者接遇時にも表れると信じています。
当院の「誠医会」の語源については、いつの日か触れたいと思います。いつも新鮮な眼差しで心からスタッフとともに「誠」を尽せる「松山医院大分腎臓内科」でありたいです。


postscript
「患者さん」or「患者さま」関連記事をまとめてみました。
西日本新聞 医療健康コラム・聴診記(医療班から)2010/04/19
「患者さまという違和感」
群馬県保険医協会 2009/03/24
【論壇】「患者様」から「患者さん」へ
西日本新聞 連載・楽しい患者ライフ(波多江伸子)2007/11/19
「患者さま」と呼ばないで



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Posted by 松山医院大分腎臓内科 at 00:11 │医院について